転職の心構え:転職エージェント使った方がいい?

優秀な社内SEとしてのキャリアを考えた上で転職というものは不可欠です。
というのは以下の記事でも書きました。

では、実際に転職する際のノウハウというか注意点も書いておこうと思います。

まず、
ポイント①
転職の際に転職エージェントは使った方がいいか?
使わない方がいいか?

これを気にしている人は
「転職エージェントを利用すると、マージンが発生するし、それなら企業の採用サイトで直接応募した方が通過率高いんじゃないか?会社からしたらそっちから採用した方がお金かからないし」
と考えている人だと思いますが、これは考えなくてよいです。

気持ちはわかります。
私もそう考えていました。
同じ人を採用するのであれば、コストがかからない方が企業的にも都合がいいだろうし
同一線上に並んでいるのであれば、直接申し込んできた人間を採用したほうがお得っていう心理が働くのでは?
と考えていました。

しかし、採用しようと思っている会社からすれば
少しでも優秀な人間を採用したいと思っているわけですから
そこのコストは気にしていない。というのが答えです。
多少コストがかかっても、より優秀な人間が獲得できるのであれば必要経費である
と考えています。
むしろ、山ほど来る応募書類の全てに目を通すことは非現実的なので、なんらかの基準で足切りして適正な数にする必要があり、その意味でもエージェントに依頼する意味はあると考えていると思います。

それにそもそも同一線上にならんでいるというのは、応募する側の勝手な思い込みで
書類や1次審査時点で、同じランクに並んでいるかどうかなんて、採用側には判断できません。
むしろ違いが判ってもらえるフェーズまで進むために、エージェントに推してもらう必要があります。
これも採用側の気持ちになればわかることで、
書類上は「イマイチかなぁ」と思っている人でも、プロであるエージェントから
「いや、こういうタイプの人はそうそう出るもんじゃないです。絶対1回会った方がいいです。」と推されれば「そこまで言うなら会ってみるか。」となってもおかしくないのはわかるはずです。
もちろん、自身に他の人とは違う明確な特徴があるのであれば話は別ですが。
これは私も最近、転職のアドバイスを求められた機会があったので、よくよく考えたらそうだなと気が付いたところです。

他にもエージェントを使うメリットはたくさんあって、
採用条件の交渉をする際に、言いにくい年収面の交渉などをエージェントがやってくれる
聞きにくい待遇面の話も全部エージェントが聞いてくれる
というのもあるので、聞きたいことが聞けず、入社して失敗という懸念を可能な限り消すことができます。
また、1社内定、他に数社が最終面接といったような状況になった場合に、最終面接の会社に結果を催促することもしてくれますし、内定をくれた会社に待ってくれと交渉することもしてくれます。

なので、転職の際にはエージェントは使った方がいい
これは間違いないと思います。

次に
ポイント②
転職エージェントは1社でよい?複数社使った方いい?

これは間違いなく複数社使った方がいいです。
できれば大手1社、中小2社みたいな感じがいいです。
もしくは大手2社、中小2社ぐらいでしょうか。
(あんまり増やすと、管理が複雑になって訳が分からなくなるので、どんなに多くても4社ぐらいにしておきましょう。本当は3社ぐらいがちょうどいいと思います。)
大手ばかりで揃えない理由は、
・求人案件がほぼ被っているのであまり意味がない
というのが一つ。
もう一つの理由としては中小2社を混ぜる理由と同じなのですが
大手は求人案件も多いですが、抱えている転職候補者の数も膨大である為
転職者一人一人に、きめ細かなサポートはできないというのがあります。
その結果、大手のやり方として
・求人に該当する履歴書、職務経歴書を持っている人間を、採用企業に機械的に流し込む
という傾向になりがちです。
そうなると、企業側もそれがわかってるので応募者を書類でしか判断しなくなり、先に言ったエージェントからの強烈なプッシュを期待できずに終わってしまう・・・ということになります。
大手のエージェントが強烈にプッシュするときは書類で見ても明らかにわかる武器を持っている人とかになってしまいますので、そうなってしまうと、応募者からすればわざわざエージェントを使わなくても・・・となってしまいますよね。
つまり大手転職エージェントは利用者側からすると、メリットを一つ潰してしまっています。(しょうがないことだと思いますが。)
転職者側からすれば、違いの分かるフェーズまで背中を押してもらいたいのに、エージェントは書類でわかる範囲でしか押してくれないわけです。これでは全く意味がありませんよね。
ただ、大手はメリットを一つ潰しているだけで、案件数の数が膨大といったような大きなメリットは健在なので、やはり登録しないという選択肢はないと思います。

反面、中小の転職エージェントはどちらかというと、大手に比べて抱えている転職候補者を大事にする傾向になると思います。
これも理由は明確で、転職エージェントは転職を成功させることが事業としての収益になるので、転職自体を成功させないといけないわけです。その為には数が少なければ、その少ない転職者の転職成功確率をできるだけ上げないといけないわけです。
結果、必然的に手持ちの転職候補者を大事にするようになるというわけです。
大手のように下手な鉄砲数打ちゃ当たる戦法は使えないわけです。
もちろん、大事にするといっても、自身のキャリアを考えず、荒唐無稽な希望を出してくる転職希望者に対して、カウンセリングしてくれるというわけではありません。
慈善事業ではないので、そのあたりは転職希望者は弁えておく必要があると思います。

中小エージェントの場合
エージェント側の思惑と、応募者側の希望がうまくマッチすることが大手よりも多く、
結果的に大手のエージェント経由で応募したら書類で落ちたのに、中小のエージェント経由で行ったら、面接まで行った。ということが起こります。
実際、目の当たりにしました。
なので、中小のエージェントは必ず混ぜて転職はした方がいいです。
これが複数のエージェントを使った方がいい理由です。

最後に転職活動の注意点を書いておきます。
ここが意外と最大のポイントかもしれません。

転職活動の期間は3か月です。

3か月を過ぎたら、一旦やめましょう。
理由は3か月を過ぎて、どこにも内定がもらえなかった場合、この応募者に商品価値はないとエージェント側が判断するからです。
そうなるとどうなるかというと、シンプルに放置されます(笑)

3か月間で内定をもらえなかった理由は
・本人にそれだけの価値がない
ということもありますが、当然それだけではなく
エージェント自身に問題がある場合ももちろんありますし、転職市場自体が冷え込んでいる
というケースもありますので、一概には言えません。

確実に言えるのは3か月を過ぎると、転職のパートナーであるエージェントが熱意を失い、不良在庫扱いされてしまうので、一旦、仕切り直した方がいいということです。

ここで曲者なのが、転職者自身の心理です。

3か月も転職活動をしていると、もうすっかり転職する気になってますし、
転職理由を検討する上で、どうしても現職のデメリットを整理したりしてますので、現職に対する情熱や帰属心が極限まで薄まっています。
最悪「もうどこでもいいから転職したい!」という気持ちになってしまっていることも多いです。

これはまさに転職を失敗する心理の典型で、本来の目的を見失ってしまっています。
この状態で転職を押し進めると、
結構な確率で間違った転職先に行ってしまいます

ので3か月を目途に良いところが見つからなければ、ぜひ足元を見つめなおすことをお勧めします。
そういう意味で、常にフラットな精神状態で転職に挑めるように、意識しながら転職活動はしましょう。

「自分の市場価値を確認する為」みたいな動機で転職エージェントに登録すると、自分の意図しなかった未来に進んでしまうことがあります。
そういう気持ちで転職エージェントに登録する人は要注意です。

ここまで書いた内容で、転職活動というものはなかなかに取り扱いが難しいものというのは感じてもらえたと思いますが、うまく行けば自分の人生を大きく飛躍させることになりますので、上に述べたような心理によくよく注意しながら、よくよく気を付けて進めましょう。

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