社内SEのキャリアってどう積むの?

この記事では、優秀な社内SEになるには転職が必要になるということを書こうと思います。

社内SEに限った話ではないですが、まず考えるべきは
自身のキャリアを

「会社に所属する」 or 「職種を選ぶ」

ここを考えないといけません。
前者はいわゆる終身雇用が生きていた日本企業の考え方
一方、後者は海外企業のイメージですね。

今の日本は徐々に後者に移行しつつあるように思えますが
日本の終身雇用、年功序列の考えは根強いので
当面、前者の選択肢は残るのではないかと思います。

そもそも日本の労働人口が減っていくという、逃れようのない事実がある中で
企業も、より優秀な人材を確保したいという考えはあるはず。
だから、後者の考えはもっと加速度的に進むのでは?という考えもあると思いますが
そこまで思い切った判断ができる経営者は多くないと思っています。

今の日本の経営者は終身雇用、年功序列の世界で育ってきている人が
まだまだ多いので、外的要因として上記の物があるとわかっていても、
マインドが切り替わらず、

・優秀であればなんでもいい!!
・そもそも転職できない人間は優秀なのか?

といった考えまで振り切れない。
そんな状況が続くと思います。
結果、若い経営者のベンチャー企業や外資企業に人が流れて行く中で
どこかのタイミングでパラダイムシフトが起こると思いますが、
当面は前者と後者の間での綱引きが続くと思います。

そこで話は最初に戻りますが、
じゃあ、まだまだ日本企業は生え抜き重視で行くのであれば

「会社に所属する」方向でキャリアを考えたほうがいいな
と考えた場合、優秀な社内SEになるのは困難です。

何故なら
その志向で進むとすると、転職回数は当然少ないほうがいいので
(というか少ないのが大前提)
できれば転職一回、どんなに多くても二回という制限が付きます。
そうなると、システムの専門家として異なる立場で経験を積む機会が制限されてしまいます。

優秀な社内SEは、プロジェクトをコントロールする上で、
プロジェクトに関わる様々な立場の観点と思考を身に着け、プロジェクトを俯瞰することができなければいけません。
それができないと適切なリスクコントロールができず、プロジェクトを管理することが非常に難しくなります。

その為、優秀な社内SEになろうと考えるのであれば、
後者の「職務に従事する」という方向性でキャリアを考える必要がどうしてもでてきます。
その場合は、逆に最低でも2回の転職は必要と考えます。

最短ルートで行くのなら、

1.SIerで開発経験を積む(大企業よりは中小企業のほうがいい)
↓転職
2.SIer(大企業)でチーム運営、プロジェクトリーディングを学ぶ
↓転職
3.企業の社内SEになる

というルートが一番最短のキャリアになると思います。
勿論これは最短ルートなので、この過程で別の分野へスキルチェンジすることもあると思いますし、それに伴い、転職する必要性が出てくることもあると思います。
視野を広げる意味でも、+1回程度の転職は最短ルートに含めていいかなと思います。

「コンサルティングファームへは行かなくていいの?」
という疑問もあると思いますが、個人的には社内SEとして活動していく上で
必要な知識はあまり得られないと思うので、転職する必要はないと思います。
行くと得られるノウハウとしては
・文書の作り方
ぐらいかなと思います。
この文書の作り方ってとっても大事なんですが、転職してまで学ぶことではないので
1.か2.のフェーズで学ぶように意識できてればいいと思います。
いわゆるコンサルと呼ばれる人とはSIerで働いていれば、嫌でも関わりますので
プロジェクトの中でそれを盗めるように意識していれば十分だと思います。

なぜ、社内SEとしてのキャリアを考える上で、コンサルティングファームの経験が不要なのか?

は、また別の記事で書くとして、
ここまで、優秀な社内SEになるには転職が必要と書きましたが
やみくもに転職すればいいというものではありません。

無目的に転職しても、得るべきものが得られず、時間を無為にしてしまいます。
転職して、「あれ、なんか思ったのと違うな」と感じたとしても
さすがに1か月でやめるわけにはいかないので、そこで数年時間を使ってしまいます。
社内SEとしての真価は最終的に経営判断に寄与するという部分にまで行きつくので
若いうちの大事な時間を無為に使うと、本当に活躍する期間を短くしてしまいます。

その為、転職先はしっかり選ぶ必要がありますし、
転職の目的も自分の中でしっかり確立しておく必要があります。
さらには転職が癖になってしまい、ただ仕事の続かない人、逃げ癖のついた人になるのもNGです。

あくまで転職は自身のキャリアを構築するための上り階段でなくてはいけません。
困難から逃げるための下りの階段に行ってしまってはいけません。

そういったリスクもあるので転職というのはとても難しい選択ではあります。

ただし、社内SEというのは今後の社会で必要不可欠であり
市場価値が高まるのは間違いない職種だと考えています。
社会人になって働く40年を有意義なものにしたいと考えている人には
とても有効な選択肢の一つだと思います。

そして、できれば「優秀な」社内SEとして
どこの企業も欲しがるようなキャリアを築きたいものですね。

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