ソリューションを探すという問題

今、私は独立して中小企業の方々にITの導入サービスを進めておりますが
その中で気づいた課題点を書いてみたいと思います。
もしかすると少し愚痴かも(笑)

まず、そもそもなんですが

基本的に中小企業をターゲットにした商品が少ない(というかない)

ITベンダーも商売をしているのでそれはそうだという話なんですが・・・
基本的にITベンダーと言われる会社は
昔からある会社もベンチャーもターゲットは
Enterprise企業(大企業)です。
SMB(Small and Mid-size Business)いわゆる中小企業に対して
まじめにアプローチをしようというベンダーはかなり少ない(というかない)のが実態です。

もちろん、商売として考えれば
Enterpriseに食い込めれば一発で大きな収入になりますし
他社に対しても「あの○×社も導入してます」と言えるので箔が付くということはわかります。
しかし、そのせいで中小企業に対しては、おまけみたいな扱いになっていることが多いです。
それが顕著に出ているのが価格です。
JUAS(一般社団法人 日本情報システムユーザー協会)でも
一般的に売上の1%程度がIT投資の標準になっているというにもかかわらず
売上50億規模の会社に導入費用1億のシステムを用意してきたりする辺りが
いかにも、大企業向けプランを適当に値下げして持ってきました感が伝わります。

ベンダーはEnterpriseにうまく売れなかったら、
しょうがないのでSMBにも目を向けますが
その時の決まり文句は
「弊社は今後中小企業にもサービス展開を考えておりまして・・・」
です。
これは「Enterpriseには外資のソリューションしか売れないので、中小企業に売ろうと思ってます。」
の裏返しです。

なので、私のように中小企業に対してサービスの提供を行っている人間や
中小企業の情報システム部門の人たちは、適切なITベンダーを探すのに苦労します。

価格以外にも悩むところでは

商品開発が甘い

という点です。
いわゆる事業会社の人たちは、
ITベンダーはITの先端を追っている
と思っていると思いますが、実態はそんなことはありません。
もちろん、プロなので一般的な人たちより詳しいのですが
時代の先端を追っているか?というとそんなことはありません。
同じ業界の人間から見ると、本当にピンキリで、
「わが社の製品はSaasには対応していません」
というならまだしも、いまだに
「パソコンにインストールして使ってください。」
というようなことを平気で言ってくるベンダーもいます。

私のように中小企業に新しいシステムを入れて
仕事に改革を起こしてほしい
と思っている人間からすると、
高いお金を出して、旧態依然としたシステムなど入れたくないわけです。

にも関わらず

今となっては他のシステムで代替できてしまうような製品を売っている会社がまだまだたくさん存在しています。
例えば、
「帳票が電子化できます。PDFにしてその情報を検索することができます」
というソリューションがあったとしますが
それは既にグループウェアであるM365やGWSなどで代替できてしまうものです。

自社製品開発をまじめに考えているのであれば
競合他社や、競合となりうるソリューションに対して
アンテナを張って、自社製品の機能開発に反映をしてほしいところですが
実態として、それを行っている会社はかなり少ないです。

穿った見方をすれば、そんなことしなくても素人相手には売れるだろと思っているベンダーもいると思います。

結果、私がソリューション選定をする上で決め手にならない
決め手にしづらい
妥協して選ばざるを得ない
という状況になってしまうことが多いです。

他には

サポートエリアをなぜか限定してしまっている。(Saasなのに)

これもやっていて「ん?」と思ったのですが
Saasのサービスを提供しているにも関わらず
何故かサービス提供範囲を限定している
というような会社もあります。

これに至っては全く理解ができなくて
これこそ従来の考え方で仕事をしているんだろうな
と思います。

物理的なものが客先にないサービスであるSaasというものを取り扱っているにもかかわらず
何故、場所を限定するのか?
めちゃくちゃ商品が売れていて、人手が足りません
という状況なのであれば、まだわかりますが
そんなわけはないので、
おそらくこれまでオンプレの商品を売っていて
サポートの地理的限界の為に場所を限定してやってきたが、
自社の商材が変わっても、その考え方自体は残ってしまっている
という事なのだと思います。

このように、中小企業をとりまくITの環境というのは
様々な制約があり、その制約の中で可能な限りの最善手を打っていかないといけないので
中小企業のITサポートというのは、大企業とはまた違った悩みであったり
能力をもとめられることになります。

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