独立します

この度、独立することになりました。
ちょっと長くなりますが、せっかくなので何故独立しようと思ったのか?
を記しておこうと思います。
初心を忘れないために。

私が今回、独立に至った直接的な要因は2つだと考えています。
1つ目は
2019年から始まったコロナ禍により急速に浸透したリモートワーク
2つ目は
日本経済の低迷からくる(?)企業の副業推進
です。

この2つの出来事が全ての始まりです。

私が当時所属していた会社は、コロナ禍においてフルリモートワークに踏み切りました。
それまで私は自分が副業をするなどという事は全く想像もしていませんでしたが
会社がフルリモートワークを導入した結果
・通勤時間が無くなり、自由に使える時間が増えた
・物理的な距離にとらわれず仕事ができる環境ができた
この2点に加え
・会社の副業推進
が合わさり、少し副業をやってみようかなと思いました。

また、リモートワークが始まったことにより
規模の大小を問わず企業は打ち合わせをwebで行うようになり
これまでIT投資をしてこなかった会社は自社にITの専門家がいない問題に直面し
その打開策として、副業人材に答えを求める会社も現れてきました。

ここで私のITスキル(供給)と企業のIT人材不足(需要)がマッチし、
私の副業が本格的に動き出しました。

副業の内容自体は、私がこれまでやってきたことでもあるので
大きな問題は起きませんでしたが
私の心理的には大きな気付きを得ることが出来ました。

それは
ITは本当に必要な場所に届いていない
です。

私はこれまで情報システム部門を自前で抱えることのできる企業しか
お客様としても、自身の所属先としても考えてきませんでした。
(勿論、仕事がそこにあるからなのですが)
しかし、それは言い換えるとそれだけの資金力のある会社としか
仕事をしてこなかったという事です。

しかし、改めて副業人材としてお仕事をする場合
お相手をするのは、
情報システム部門という固定費を抱え込むのは難しい企業
になります。

私が仕事をしている中で気が付いたのは
ITが必要なのはまさにこういった企業だ
という事です。

ITは端的に言うと人を楽にするためのものです。
それを使う事で、今までの作業が楽になったり
新しい何かができるようになったりするものです。
そして、それが必要なのは
人手がなかったり、新しい事をしなくては生き残れないという
ある意味差し迫った危機感を感じている企業です。

一方でそういった企業は
ITに何ができるのか?
がわからないので、ITで活路が見いだせることがあったとしても
そこに気が付くことが出来ません。
よしんば、何かできそうだとは思っていても、そんな海の物とも山の物とも知れないものに限られた会社の資金を投入するのは、そうそう決断できるものではありません。

私はこれまでいわゆる大企業で働くことが多かったのですが
そこにおけるITプロジェクトは一言で言うと
無駄の塊
です。

大企業のプロジェクトは費用もコストも膨大な無駄を生み出しながら前に進んでいきます。
それは社内政治であったり、肥大化した組織などが原因なのですが
大きな無駄を生み出しながら、導入されたシステムもまた
求めていた効果を得られるものではないことが大半です。

勿論、私はこれまでそういったプロジェクトにも全力で取り組んできましたし
そんな中でも自分にできることが有るはずだと思い、尽力してきました。
その甲斐もあって、業界の常識の範囲内としては大成功と言えるものもありましたが、
私の中ではしっくりこないものが残り続けていました。

しかし、副業という形で中小企業の方とお仕事をすることで
本来、ITが最もパフォーマンスできる場所はどこか
本来、ITが最も必要とされている場所はどこか

という事がわかったと感じました。

私はこれまでのキャリアで、ある水準以上のスキルを身に着けてきたと思います。
結果、色々な企業でお仕事をさせていただきましたし
ありがたいことに引き合いもいくつも頂きました。

しかし、私が力を尽くすべきは
大企業の巨大プロジェクトではなく
ITを求め、ITが本当の意味で企業活動の一助になる中小企業なのだと思い至った
これが独立を決意した理由になります。

ちなみに
何故、会社員をしながら副業を続ける
ではダメだったのか?
という点ですが、理由はシンプルに1つ。
時間
です。

確保できる時間もそうですがもっと問題なのは時間帯です。

副業という形で中小企業の方々とお付き合いをさせていただく場合、
ある一定以上、使い方が決まっているツール(M365やGoogleWorkplace等)を導入するという事であれば問題なく実施できましたが、
・一定以上のカスタマイズを行わないとそもそも動作しない
・Sier、ベンダーとのやり取りが一定以上発生する
という類のシステムを導入するとなると、どうしても副業では難しい面が顕在化してきました。

システム導入をする際には
ユーザーとシステムベンダーとの間で打ち合わせを重ねながら
どういうシステムを入れていくか?という事を調整するのですが
これは当然、日中に行われます。

そして副業はその名の通り、日中は主業に時間を取られています。
調整することも可能ですが、副業として使う予定だった時間帯に主業の打ち合わせが入ってしまえば
そちらを優先せざるを得ません。
こうなってしまうと、どうしても副業側に対して十分なサポートができません。

これが副業という形で続けられなかった理由です。

 

自分の仕事の意義や
人生をかけて取り組むべきことを見出し
副業ではそれは成せないということもはっきりしましたが
独立を決意するには勿論、非常に悩みました。

私には家族がいますし
ITに携わるものとしては、恵まれたキャリアを積んできましたし
いわゆる大手IT企業に所属し、安定した収入を得られています。

独立すれば、全ての安定を手放し
本当の意味で独力で生きていかなくてはいけません。

しかし、気づいてしまったもの、自分にできることを
見ないふりをして生きていくのは、どう考えても無理だと思いました。
人生は一度しかないのですから。

幸いなことに、副業としてお付き合いさせていただいた企業の中に
私の独立を応援して下さる方もおり、
一歩踏み出す勇気を頂くことが出来ました。

私にとっての大義である
本当の意味での中小企業のIT活用を助けること
をしながら、
家族もきちんと養っていくこと
この2つをしっかり両立させることは大変な事ですが
今までの仕事やプロジェクトではなかったやりがいを感じています。

この思いを見失わないよう、
これから世の中小企業の皆さんのIT化に力を尽くしていきたいと思います。

頑張ります!

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