プロジェクトマネージャはヒューマンスキルが命

私が転職活動を行うと
経歴の上では、プロジェクトマネジメントをしていることが多いので
面接で

プロジェクトマネジャーに必要な能力は何だと思いますか?
炎上したプロジェクトを収拾する為に施したことは何ですか?

とか聞かれることが多いです。

一言でいうのは難しいのですが
いずれも大事なのはヒューマンスキルです。
面接官的には何かこう、目から鱗的な手法や
フレームワーク的な話を聞きたい方もいらっしゃるかもしれませんが
そんなものはないというのが実態だと思います。

システム的にどうするべきとか
気を付ける点というのは
よくある書籍やプロジェクトマネージャー試験などで問題に出てきますので
勉強すればよいのですが
じゃあ試験に合格したからといって、みんなプロジェクトを管理できているか?
というと、そうではないのが現実だと思います。

また、プロジェクトマネジメントを

・書類をまとめる人
・右から左へ物を動かす人

と捉えている人もたまにいますが、
これもプロジェクトマネージャーの仕事を理解していないと思います。
そういう話をされる人を見ると
「よほど今までまともなプロジェクトに関わったことがないんだな・・・」
と感じてしまいます。

さて、話がそれましたが
このようにプロマネは型にはまった方法論というものがあるわけではなく
経験から来るヒューマンスキルが肝になります。
過去に私と共に働いた人にも

エンジニアが喋れなくてもなんとなく許される時代はとうに終わり、喋れないエンジニアの市場価値は著しく低い

と言ってきていますが、プロマネに至っては致命的なほど重要なものになっています。

プロマネに限らずですが
ITエンジニアは業務部門の人と会話をすることがとても多いです。
業務部門と言っても、
いわゆる人事や経理などの間接部門や
製造や営業などの直接部門と多岐にわたります。
またそれぞれの部門の人がそれぞれの専門用語を語るので
それぞれの人たちと会話できる程度には業務知識が必要ですし
わからなくてもなんとか乗り切れる想像力や臨機応変さも求められます。

更にプロマネともなると、これらの部門を横断して会話し、
下手をすると双方の通訳を務めることになったりもします。

例えば、
製造部門と営業部門とは得てして意見が対立しがちですが
この二者間で話をしても、お互いの主張を繰り返すだけで噛み合わないことが多いです。
そういった場合に、プロマネは間に立ち、双方の言い分を聞きながら
うまく落としどころを見つけ、全体最適となるような答えを探り
双方に納得してもらったりしなくてはいけません。

そういった社内のバランサーの様な役割を求められることもあれば
プロジェクト全体を見た場合に、
双方の言い分を聞いて、落としどころを見つけてあげる
なんて言ってられない状況の場合もあります。
そんな時は、ある意味力づくでどちらか、ないし双方を黙らせ
プロジェクトを前に進めることを優先する

そんな腕力を求められることもあります。

そういった事ができてこそのプロジェクトマネジャーなのですが
それこそコミュニケーション能力が低い人には務まらない仕事です。
いざという時に黙らせる腕力も
日頃のコミュニケーションが生むものでもありますし、
コミュニケーションが苦手だからと言って
何でもかんでも力づくで進めていると、プロジェクトメンバーの心が離れて行って
チームが内部崩壊してしまいます。

常にメンバーの様子を考慮し、慮りつつ
場合によっては腕力を発揮しながらコントロールする。
そんな能力を求められるのがプロジェクトマネージャーです。

なので

なんかコツがありますか?と聞かれると
非常に答えづらいことが多いです。
一応、過去にこんなことが有って、こういう状況だったからこういう風に対処しました
というように話をしますが、
完全にケースバイケースなのでどこまで伝わっているのか自信がないというのが正直なところ・・・・。
ご質問いただいた皆様は
一様に「それは大変でしたね」とか「経験豊富なのがよくわかりました」といってくださるのですが
自身がプロマネをする際に参考になっているか?というとどうなんでしょう(^^;

じゃあ、教えられないか?というとそんなことはないのですが
それはやはり同じプロジェクトに入って、

こういう時はこうする、この状況ではあういう立場の人はこういう風に考えるので、こういうように先手を打っておかないといけない

という事を経験則のようにOJTで教えてあげるしかないと思っています。
勿論、これまでの記事でも書いたように、プロマネは向き不向きが非常に出る職務なので
だれでも育てられるか?というとそんなこともないのですが、
やれなくはないということです。

プロジェクトマネージャを目指す
という人も一時期に比べれば少し減ってきたかと思います。

時代的に今はスペシャリストを目指す技術者が多い傾向にありますが
大規模なプロジェクトになると、スペシャリスト集団ではどうにもならなくなり
どうしても優秀なプロジェクトマネージャが必要になります。
スポーツでも優秀な選手をかき集めているはずなので何故か勝てない
そんなことが起こりますが、ITプロジェクトでもまさにそれが起こる時代になってきていると思います。

そういった事を踏まえると、むしろプロジェクトマネージャの市場価値はどんどん高まっていくと思いますので
是非、自身のキャリアパスの一つとして目指してほしいと思います。

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