IT資産の棚卸

ちょっと前回の記事と内容が重複する部分があるのですが
棚卸をするべき資産という意味で切り口を変えて書いてみます。

自社にIT資産がどれだけあって、
それにどれだけのコストがかかっていて、
いつ費用が発生しているのか?
契約期間のスパンはどうなっているのか?

こういった情報をしっかり把握している会社は
企業の規模感を問わず、意外と少ないです。

大企業の場合

資産が大量にあるので、誰かが把握しているだろうとは思いつつも、別に自分じゃなくていいだろうと思って、情報が分散。
いざ、棚卸しようとすると、まずそれを知っている人を探すのに時間がかかる。

中小企業の場合

請求されているものが必要なものなのだろうとは思いつつも、その中身の意味が分からないので
とりあえずベンダーを信用して放置

というように、理由はそれぞれですが
結果として把握できていないという所は変わりません。

大企業や情報システム部門をもっている企業の場合は
担当者に確認をしてもらえれば
時間がかかるでしょうが、おそらく答えは出ると思います。
ただ、ここでいう「時間がかかる」は経営者の皆さんが思っているよりも遥かにかかるので、心しましょう。

中小企業の場合の問題は請求されているもののサービス内容が
よくわからない
という所です。

この「よくわからない」は

その金額が妥当なものなのか?
必要ないサービスまで買っていないか?

など様々な弊害を呼んでしまいます。

例えば、あるソフトウェアを使っていたとします。
当時社員は100名いたのでライセンスを100買っていたのですが
数年経つうちに必要なライセンスの数は80まで減りました。
こういった場合、企業側から「ライセンス数を80にする」
というアクションを取らない限り、ベンダー側から「80にした方がいいですよ」なんてアナウンスは来ないので、ずっと100ライセンス分のお金を払い続けることになります。
(しかし、ライセンスが100から1でも超えると、追加しろというアナウンスは来ます・・・)
サービスの内容がわかっていないと、本当は80ライセンスで問題なくなっているのに、それに気づかない為、20ライセンス分余分に払っているという事にすら気が付かないという事も起こりえます。

他にも
あるソフトウェアはOffice製品のように、いくつかの製品があったので
全て使うつもりでパックでライセンスを購入したが、
実際はパック購入した製品のうち、3つしか使わなかった。
しかし、これも3つにしますというアクションを企業側が取らない限りは
パック分のお金を払い続けることになります。
上記同様に、最悪のケースとしては3つしか必要ないという事に気が付かない
という事態を招きます。


IT資産というのは人の入れ替わりで
頻繁に増減したりするので、まめにチェックして
最適に調整したりしないといけないのですが
自社にITの事がわかる人間がいないと、これがおろそかになり、
不必要なものを購入していたり
必要なものを必要以上に購入したり
そういった状況になっていることに気が付かなかったりします。

また、裏を返すと
必要な時に必要なソフトウェアが使えなかったりもします。
せっかく人を雇ったのに、ソフトウェアが使えず、数日間遊ばせてしまった。
等という事も十分起こりうるわけです。

自社にIT資産がどれだけあって
それが本当に必要な時に必要なだけあるか?
というのは、いわゆる在庫管理と同様に適宜実施して、
最適な状態を維持し続けないと
様々な損失を呼んでしまうのですが
何故かIT資産に関しては、在庫管理のように担当者がおらず
放置されていることが多いです。

在庫管理が地味だからやらないという企業はないのに
何故かIT資産は地味すぎて誰もやっていなかったりするので
もし、自社にそれをやっている人がいたら大事にしましょう。

もし、その人がいなくなったら
次の日から、上に書いた事態が自社内で発生し始めることになります。

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