スペシャリストかゼネラリストか?

どちらになるべきか
かつて、IT業界で生きる人間のキャリアパスを考える上で
頭を悩ませてきた問題ですが、
私が思うに今は
スペシャリスト一択になっていると思います。
というか、従来ゼネラリストと呼ばれていた人もスペシャリストの枠にカテゴライズされるようになった
という感じでしょうか。

今までは
ITのゼネラリストがいて、その人が色んなジャンルのスペシャリストをコントロールする
みたいなイメージでしたが、これまでの記事で何度も書いているように
ITはもはや生活の様々な所に浸透し、社会インフラと呼べるような状況です。
一言でITと言っても広大なジャンルに及び、その上、一つ一つの技術が深化していっている為、上に書いたような従来な形ではプロジェクトをコントロールできなくなっています。
必然、上記のようないわゆる「ゼネラリスト」という概念は通じなくなっていると思います。

また、報酬という意味でも
昔はマネジメント職の方がスペシャリストよりも評価されていた
(というか、最終的にゼネラリストを目指すという時代だった。)ので
ゼネラリストの方が報酬が高かったのですが
いまや能力の高いスペシャリストの方が圧倒的な単価を稼ぎ出すようになり
この側面でも、敢えていきなりゼネラリストを目指す理由もなくなってきてていると思います。

そもそもゼネラリストというものは
ゼネラリスト≒マネージャーという捉えられ方をしていたと思います。
ゼネラリストは広範囲で物事を見渡して、コントロールするのが仕事で
マネージャは人を管理するのが仕事ですが
ゼネラリストの素養を持つ人がマネージャの素養を持っていることが多いので
いつしかゼネラリスト≒マネージャ≒管理職という構図になり、
スペシャリストとして高単価を稼ぐという道がなかった時代には
みんなゼネラリスト(マネージャ)を目指さざるを得なかった。
というのが実態だったかもしれません。


勿論、マネジメントができる人間がいらないのか?

というとそんなことはなく、その役割を務めるべき人間が移り変わっていっているという事だと思っています。

今までは発注するユーザーがいて、その人がITの専門家たちに丸投げして(失礼)
その専門家たちの中でゼネラリスト、スペシャリストの住みわけがされているという形だったのが
ITの浸透により、発注するユーザー側が自身でマネジメントし、外部にいるスペシャリスト達の協力を得る
そんな形で役割がシフトしていると思います。

勿論、スペシャリストばかり集めてもプロジェクトは前に進まないので
発注側にはいわゆるゼネラリストと呼ばれるような人たちは必要なのですが
ITの世界で生きていくと考えた場合、今はまずスペシャリストを目指し、自身のキャリアの基盤を築くというのがスタンダードだと思うので、まずは「なんの」スペシャリストを目指すのか?というキャリアの考え方になっているのではないかな?と思います。

今ですと
・AI技術者
・データサイエンティスト
などが固いかなと思います。

ただ、目線を変えると
今までIT素人だった人達、いわゆる発注者側は自社内でITプロジェクトのコントロールができる人間を育てないといけません。
今まで、エクセルの事も「うーん」と言っていたのに、突然ITプロジェクトのコントロールをしなさいと言われても無理なので
中途採用で持ってきたりするのですが、これがまた単価が高くて、そうそう簡単に雇用できない
けど、雇用しないとどんどん難しくなっていくITの世界が更にアンタッチャブルになっていく
しかしやっぱりお金はない。
そんなジレンマに陥る会社も多いかと思います。
なのでITのスキル格差はどんどん拡大していくのではと思っていますが
話を元に戻すと、発注側には逆にゼネラリストが必要なので
現時点でゼネラリストとしてキャリアを積んだ人も発注側にシフトすることを
キャリアパスとして検討しておけばいいのかなと思います。

なので、もし将来ゼネラリストになりたい
と思っている人がいたら、最終的には発注者側に回るという事を意識していた方がよいでしょう。
しかし一番最初に述べた通り、ITの裾野はどんどん拡大しており、
全てを網羅することは無理なので、まずはスペシャリストを目指す
それも将来、社内SEとして求められるであろうジャンルのスペシャリストを目指し
知識を十分蓄えた上で、そのジャンルの事であれば、広くカバーできます。プロジェクトのコントロールもできます
という状況になれれば、非常に優秀な社内SEになれるのではないでしょうか。

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