建設的なチームに必要なもの

最近、本を読んでいてよく見る言葉として、
心理的安全性という言葉をよく見ます。
簡単に言うと「チームは対人リスクをとるのに安全な場所であるとの信念がメンバー間で共有された状態」という事ですが
これは本当に大事な話で、私自身もチームを運営するときに意識をしていたことだったなぁと思ったので、記事にしてみました。

この記事を書いている現在、コロナの影響で企業のリモートワークはかつてないスピードで進み、こういった所謂ニューノーマルな働き方に積極的に取り組んでいる会社は「あれ、意外と直接顔をあわせなくてもいけるな。」という気づきに恵まれているところも多いと思います。
また、それにより様々な可能性も見出していると思います。
ただその一方、直接会わないが為に自分が言ったことに対して、みんなどう思っているんだろう?という空気感が読めず、不安な気持ちになることもあると思います。
そんな時に大事なのがこの心理的安全性です。

勿論、これはオールドノーマルの中でも非常に重要ですが、
ニューノーマルの中ではまた違った意味で重要になってきます。
オールドノーマルでは臨場感がありすぎるために、必要になる(パワハラを防ぐ)のですが
ニューノーマルでは距離感がありすぎるため、メンバー同士でどこまで心を許せているのかが測れなくなります。

距離感が測れないと、何かの意見を募ったときにそれがメンバーの合意をどこまで取れているのか、その合意がどこまで本心なのか?という事がわかりません。
それはつまりチーム内の合意形成を図る上で、チームとしてどこまでの本気度で臨んでいるのか?が測れないという事になります。

これを「決めきれないリーダーの責任転嫁」として取るのは早計です。
(そういうリーダーが多い事は認めますが)
逆に、チームでの決め事を「リーダーが全て決める」というやり方はチーム運営において非常に危うい状態です。

そのような運営をするのは強権を振るうリーダーに多いのですが
メンバーは
「リーダーが言うならそれでいいんじゃない?」
という判断の基、
「とりあえずリーダーの方針がこうだから、全部右に倣えしとけばいい」
という流れになり、本当であれば事前に気が付けたことを見落としてしまい、
リスクを見落としてしまうことにつながります。
これは他の記事でもあったような事態を招きます。

具体例を挙げると、ある導入プロジェクトにおいて
リーダーがプログラムの作り方に指針を決めたとします。
しかし、運用保守の観点から考えるとその方針には矛盾が存在するとします。
こういった場合に、メンバーに運用保守の経験豊かな人間がいて、チームに心理的安全性があれば、
「これこれこういった場合にまずくないですか?」
という貴重な意見を引き出すことが可能です。

どんなに優れたリーダーでも、自分の経験や学んだ知識からでしか判断は下せません。そして、残念ながら人が経験すること学べることには限界があります。
一人で判断するには限界があるからこそ、チームが存在し、そしてそのチームとしての能力を最大限生かすためには、心理的安全性が必ず必要になります。
そしてそれは仕事のリスクヘッジだけではなく、メンバーの満足度も向上させることが可能です。

では、その為に何をするか?というのはまた難しいのですが
私が心がけている事を書いておきます。

・怒らない・声を荒げない
私は仕事で誰かが何かミスをしても、決して声を荒げたりすることはしないようにしています。その理由はその場で誰かを責めても、生産的なことは何も起きないからです。

叱られた当人は委縮するでしょうし、見ていた人間は気分が悪くなるだけです。そして、叱られたからといって、現実的な防止策を打ち出さない限りは、再発は起こりえます。
それよりも、起きたことはしょうがない、再発を起こさないためにはどうしたらいいか?の具体策を考えてもらった方が時間も無駄にならないし、起こした当人も周りの人間もミスを恐れて委縮するような事態を避けることが出来ます。

・どんな初歩的な内容でも小ばかにするような態度を取らない
何故か、初歩的なことを質問すると、あきらかに小ばかにする態度や、おざなりな態度、適当な対応をする人がいますが、これも非常によくないです。

忘れてはならないのは、初歩的な質問というのは大体質問する側も「初歩的な質問だ」とわかってしているので、恥ずかしいと思いながらも聞いていることが多いという事です。
恥ずかしいけれど、これは知っておかないとまずいかもしれない
と勇気を振り絞って聞いているわけですから、むしろこういった質問こそ、丁寧にわかりやすく誠実に対応する必要があります。
そうすることで、相手も心を開いてくれますし、その後も物おじせず質問をしてくれます。そうするとリーダーとしてもメンバーが成長してくれますし、チームとしての能力も高まっていきます。
また、同じぐらい大事なことですが同じ質問をされたときにも「それ前も言ったけど」みたいな発言はせず、何度でも説明してあげることが大事です。
これも同じく、前も聞いたことを再度聞いているという事は質問する側はわかっていることが多いので、そこをほじくり返すのはNGです。
そして、なにより大事なことは
最初に質問をされたタイミングで、しっかりと上記のスタンスをアピールしておくことです。
最初に散々圧をかけておいて、その後にどんなに「何でも聞いて」なんて言っても、説得力は全くありません。
最初の段階で誤った人はその負債を負い続けることになります。

・仕事と関係ない話をする
ぶっちゃけ1日1回ぐらい無目的な会議を設定してもいいぐらいです。
仕事と関係ない話というのは、仕事を円滑に進める上で非常に大事です。
1日8時間、ぶっつづけで仕事をしていると、どうしても肩は凝るし
リモートワークだと自分一人で仕事をしている分、孤立感も味わいます。
その為、仕事と関係ない話をしてリラックスできるメンバーだという事を
お互いに認知してもらう事は非常に大事です。
ただし、話題には気を付けないといけないので、難しい部分でもあります。
「どこに住んでるの?」とかは話を広げるのに便利ですが、迂闊に聞いてしまうとパワハラやセクハラに該当してしまうので、やはり最初は仕事の話から砕けた話に展開をしていくのがいいと思います。

という事で、心理的安全性がチームビルディングにどれだけ大事か?
という話と、私が個人的に気を付けていることをいくつか記載させていただきました。
何か参考になれば幸いです。

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