社内SEと他職種は不可逆であるという事
①社内SE→他職種への配置転換
②他職種→社内SEへの配置転換
仮にこの二種類の異動を行おうとした場合、
そのハードルの高さにはかなり違いがある
という話をしたいと思います。
ちなみに
①社内SE→他職種への配置転換
のところは厳密に言うと、
社内SE自身が担当していたシステムにおける業務部門への異動という意味で
全くの畑違いの職種への異動に関しては
②と同様のハードルになるという事は補足しておきたいと思います。
さて、ではなぜ上記のようなことが起こるのか?
という点ですが、
というのが理由です。
社内SEがシステムの面倒を見る際、業務のことがわからないと、
課題点も見つけられないし、適切な要件定義もできないため、
満足な保守ができません。
結果として社内SEとして働いていく上で
業務知識は必要不可欠なものになる為、業務に詳しくなっていくことになります。
もちろん、それを専業にやっている人には及ばないとはいえ、
それに近しいレベルまで近づくことは実際にありますし、
フラットな目線から
現場が気が付いていない課題に気が付くことさえあります。
逆にシステムを使う側であるユーザーは
システムがどういう仕組みで動いているか?
という事を理解している人は皆無だと思います。
( SE経験者がやっている場合を除く)
ユーザーからすると、システムにおいて大事なのは
ということであって
どういう理屈でシステムが動いているか?
というのは二の次ですし、実際業務を遂行する上ではそれでいい
というのが実態ですが、社内SEはそうもいきません。
例えば、私が過去に携わった人事給与システムなどはわかりやすい例の一つだと思います。
人事部の人たちは、給与計算がどのように行われているか?その詳細まで抑えている人はあまりいません。社会保険料計算がどういうロジックで処理されていて、年末調整がどういうロジックで処理されているか?などその詳細を把握することはありません。
しかし、システム担当はそうはいきません。
毎年といっていいほど、改正される所得税法や社会保険制度について
詳細を理解し、それをシステムに実装した場合、どうなってなくてはいけないか?
というところまで理解を深めます。
システム担当はエクセル上で年末調整計算の仮計算を行うことが出来ますが
人事部の人にそこまでできる人は、私は見たことがありません。
これはつまり
という事になります。
こういった現象は、例に挙げた人事給与システムに限った話ではなく、様々な業務にシステムが密接に関ることになった為に、あらゆる業務に於いて起きています。
こうなってくると極端な話、
ある日突然、現場の人がいなくなった時に、システム担当がその穴を埋めることができる可能性はある
が、その逆
システム担当がいなくなったから、現場の人間がシステムのお守りをするという事はほぼ不可能
という事が言えるようになってきます。
実際、現場の人で「俺はできる」と言い切る人は皆無だと思いますが、
社内SEで「何とかなるかもしれません。」と回答する人は一定数いると思います。
そして、この
②他職種→社内SEへの配置転換
を阻む大きな理由の一つとして挙げられるのは
やはり、プログラムです。
システムと世間一般の人との距離は、かなり近づきましたが
やはりプログラムそのものは、まだまだ一般の人とは縁遠いと思います。
考え方そのものも、普通に生活していく上では異質な考え方ですし、
という事における、お作法的な話を受け入れるのにも、相当な発想の転換を求められると思います。
しかし、とある外資系企業では
システム担当であろうがなかろうが、全従業員にプログラミング研修を受けさせるという事を実施してる企業もあると聞きます。
おそらく、
プログラムのことがわからない
という事がフレキシブルな人事異動、人材活用の障害となるような時代を迎えつつあるという事だと思います。
今後、プログラムというものの考え方が異質ではない世代が社会に進出してくる事を考えると、今現在、管理職としてご活躍している方もリバースメンターとして若い人に師事を仰ぐ必要があるのかもしれません。
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