社内SEになるときに心がけておくこと

ITの世界で生きていくには色々なポジションを経験する機会があります。
例えば、

プログラマー
システムエンジニア
コンサルタント
そして、社内SE

これに加えて、どういう立場の会社に所属するかによっても
また仕事内容が変わってきます。

中小のSIer
大手SIer
コンサルティングファーム
IT系子会社
事業会社

それぞれにどういう特徴があるか?
はさておいて、ここではブログの主題でもある社内SEについて語っておきたいと思います。

ITの仕事に携わる上で、いきなり社内SEになる人もいれば
キャリアパスの流れの中で、社内SEになる人もあると思います。
いずれにせよ、社内SEは他のどのポジションともまた違う特徴があるので
このポジションに就く上で、理解しておいた方がいい事を書いておきます。

【いいところ】

・企業のIT施策決定に携われる可能性がある。
 と言っても、結局は偉い人が独断と偏見で決めたりするので、「決定」とまではいかないのが実態
 ただ、それでも決定に一番近い場所にいるのが社内SE
 コンサルタントとかでも、ここには携われない。せいぜいアドバイスするぐらい。
 経営に関わるコンサルになれるのはごく一握りなので、そんな狭き門を目指すよりも
 社内SEになる方がよっぽど「決定」に影響を及ぼす可能性が高い
・ITプロジェクトの全体を見れる
 プロジェクトの末端として参加することはほとんどなく
 基本的にはプロジェクトの全体を見る立場になることが多いため
 ITプロジェクト全体がどういう流れで進んでいき、どういう所で滞留しがちなのか?
 などの全体像を学ぶことが出来る。
・運用に携われる
 導入プロジェクトだけでなく、その後の運用まで見ることが出来るので、
 運用フェーズに入ったらどういう事が起きるのか?本当の意味でシステムライフサイクルを感じることが出来る。これはITに携わっていくのであればとても大事な経験です。

 

 【わるいところ】

・社内政治に巻き込まれる
 会社のIT施策は色んな偉い人の色んな思惑が持ち込まれて決まるので
 純粋な効率や効果の為に推進されることは驚くほど少ない
 偉い人の顔を伺いながら、しかもITの本質を見失わないようなプロジェクトにしないといけないので
 時に「なんのために仕事やってるんだろう・・・」みたいな気持ちになる
・基本的にコミュニケーションが下手な人には難度が高い
 ITプロジェクトは、その大半が何社ものSIerを交えて進めるので
 社内だけでなく、社外のたくさんの人を同時に相手どらないといけないことが多い
 よって、コミュニケーション能力の低い人間だと、プロジェクトをコントロールすることが出来ない
・フォローするべきITソリューションの幅が広い
 SIerやコンサルだと自分が取り扱う製品だけに精通していればいいが
 社内SEだとその範囲が比較にならないほど広くなる為、食わず嫌いが許されないし
 スペシャリストになりにくい。(ジェネラリストにはなる)
・優秀な人材が少ない
 企業として、本当に本気のIT施策を打ち出している企業が少ないため
 なぜか畑違いの部署にいた人がアサインされたり、
 SIerやコンサルで激務に疲弊した人がのんびりする為に入ってきたりするので
 恐ろしく大事なポジションなのに、人材の質が低く
 自身の成長の糧となるような上司に出会いにくい

ざっくりあげるとこんな感じになります。
社内SEというのは、同じIT業界のポジションでありながら、
事業会社の一員としての一面と
ITのスペシャリストであるという一面の
両面を持っているというちょっと異質な存在です。
その為、必要とされるスキルも、得られる経験も異質です。
ポジション的には企業のIT推進のキーマンですので非常に重要で
得られる経験も他の会社やポジションでは得られないものが多いのですが、
他のポジションの延長のような気持ちで就くと
「思ったのと違う」
となると思います。
この辺りはよくよく気を付けた方がいポイントだと思います。

【おまけ】

いきなり社内SEになるというのは、キャリアパスを考えるとあまりお勧めしません。
ITの世界の諸々の事情が分からないまま
システム発注に携わる立場になってしまうと
その立場に振り回され、何も理解が進まなくなってしまいます。

関わる人間からも「何もわかってないやつ」と舐められますし
何もわかってないのに、立場的にプロジェクトリードをしないといけない為に
本人も心理的に相当きつくなってしまいます。

理解は進まないから仕事も面白くないし
そのくせ、メンタル的にも体力的にもきつくなる
という悪循環にハマりますので
基本的には基礎となる技術と思考を学んだ上で
このポジションに就くことをお勧めします。

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